市民活動と住民参加〜住民組織アンケート調査から(下) 

2002/05/20
(オンラインプレス「NEXT212」80号掲載) 

 

  「情報公開・広聴制度もっと活用を」

 広報誌や住民説明会などを通じた市町村による政策・財政・制度などについての積極的な情報公開・提供については、「そう感じる」(26.0%)「ある程度そう感じる」(55.6%)合わせて80%強が一定の評価を示しました。「あまり感じていない」は14.4%、「感じていない」は2.0%。

  国や自治体が事業実施や計画策定に際して、市民の意見を広く聴くパブリックコメント制度については、「意見を出したことがある」(17.2%)「知っており、関心がある」(38.8%)に対し、23.6%が「知らなかった」と答えるなど、パブリックコメント制度自体がまだ十分活用・周知されていないことをうかがわせました。

 ■浸透していないパブリックコメント制度

  自治体の情報公開条例や国の情報公開法に関しては、26.0%が「住民と行政の協働にとって重要な要素だと思う」としている反面、55.6%が「協働に直接的な影響はないと思う」と答えています。

  これは、情報公開条例が、官官接待問題などを機に「行政に対する住民監視」の面から制度化が進めらる傾向にあったことが背景にあるためでしょうか。本来、情報公開条例は、住民監視とともに住民参加の基礎となるもので、行政に関する情報を共有することが行政と住民の協働関係の基となることを考えれば、条例の趣旨が十分生かされていないとも言えそうです。

 ■「人材確保・安定財源」に悩み

 調査対象は、北海道内(札幌市を除外)のNPO法人108団体と非NPO法人約3800団体から抽出した484団体で、うち250団体から回答がありました。活動分野は、町内会などの地域活動や福祉、環境、教育、生涯学習など多岐に及んでいます。

  活動を進める上で課題となっていることとしては、(1)人材の確保(70.0%)(2)安定財源の確保(56.8%)(3)行政との関係(28.4%)(4)活動拠点の確保(20.0%)(5)ネットワークの構築(18.0%)などが挙げられました。活動資金については、「会費」が77.6%を占め、「市町村からの補助金」(46.4%)「事業収入」(43.2%)がこれに続き、安定した独自財源の確保に頭を悩ませているようです(複数回答)。

 

 

| TOP | BACK |