エコタウン計画
長野県・飯田市

 多様な活動で住民の参加意識向上

 96年度に策定した「飯田市環境計画(21'いいだ環境プラン)」と97年度制定の「飯田市環境基本条例」が環境行政の基本となっています。これに基づき97年度から、環境に負荷の少ない市民生活や事業活動に転換していくための仕組みづくりと、意識づくりを総合的・計画的に進めています。

 官民一体となった活動は、ごみ処理費用負担制度の導入やリサイクル・省資源活動の実践、森林資源・景観の保全、環境教育、ISO14001の認証取得など幅広い分野にわたります。これらの活動状況や成果、環境目標の設定・動向などは、毎年「環境レポート」としてまとめられ、住民のガイドブックとしても活用されています。

 環境問題に対する取り組みが住民参加の中で行われていることは、リサイクル活動や教育の場にも表れています。
 99年度末で111か所設置され、リサイクル指導員が2人ずつ配置されているリサイクルステーションにおけるガラスびん、ペットボトルの回収は、99年度に延べ535回実施され、ガラスびん346トンが回収されました。

 ■環境レポートに成果と目標

 ごみの減量とリサイクルを推進するため、各家庭から排出される埋立ごみの中から使用可能なものを選別し、無料提供する「リサイクル市」には、年間300人以上の市民が参加します。400〜700点の展示品はほとんど引き取られ、物を大切にする意識の高まりがうかがえます。里山の保全と児童の環境教育を目的として、小学校付近の雑木林を学友林として提供する学友林整備事業では、直接手で触れ、目で見る体験教育が成果を上げています。

 97年度から設置資金の助成制度がスタートした住宅用の太陽光発電システムは、3年間で332件に上り、市では2010年度までに30%の普及世帯率を目標にしています。2000年度の目標としては、1人当たりのごみ排出量を253キロ以下にする、ごみ総排出量に対する資源ごみ回収量の割合を26%以上にする、といった具体的な数値が設定されています。

 環境産業公園に立地したペットボトルのリサイクル工場と新聞古紙から断熱材を作るリサイクル工場は、環境保全協定のような受け身の取り組みではなく、積極的に環境問題に取り組む姿勢を「環境宣言」という形で地域に示しました。